フィトンチッド

フィトンチッド

フィトンチッドとは

樹木や草木が光合成を行うことで作り出される物質で、大きく分けて次の3つの作用があります。

リフレッシュ

森林浴の爽快感はどなたでもご存知かと思います。
自律神経の安定に効果的と言われ、肝機能を改善したり快適な睡眠をもたらすことも知られています。

消臭・脱臭

森林へ行くと、悪臭の原因となる動物の死骸や枯れた木などがあるにもかかわらず、爽やかな空気が広がっています。
森林には空気を浄化したり、悪臭を消す働きがあります。
こうした消臭作用は身近な生活臭に効果的です。

いろいろな作用

食品への防腐・殺菌をはじめ、部屋や浴室のカビ、家ダニなどへの防虫にも効果的です。
いろいろな作用は、人体を蝕む病原菌にも有効です。
人体に安全な天然物質ですから、副作用の心配がなく穏やかに作用します。

フィトンチッドによる消臭のメカニズム

消臭メカニズム概念

マスキング法

現状の消臭剤の80%
悪臭を他の芳香剤でカバーする方法で感覚的に悪臭を無くするもので、時により芳香成分の好みや時間経過により、不快感を覚えることがある。

吸収法

他の物質に吸収させて悪臭を除去する。悪臭成分が吸着剤に接触しないと効果がなく、大きな装置や電力が必要。

中和法

主に植物抽出物の消臭法。消臭成分が空中に飛散し、悪臭物質にとりつき反応する方法で、悪臭成分そのものを無くする。

中和法による消臭メカニズム

硫黄化合物(硫化水素)(メルカプタン)

アンモニア・アミン系

上記により、悪臭・異臭の原因であるチッソ系化合物やイオウ系化合物を中和消臭します。

フィトンチッドのいろいろな作用

研究データに見るフィトンチッドのいろいろな作用

フィトンチッドのいろいろな作用を科学的に裏づける研究例をいくつかご紹介しましょう。
ヒノキ科樹種のメタノール抽出物を用いて、緑膿菌・大腸菌・黄色ブドウ状球菌・枯草菌へのいろいろな作用を調べた結果、ヒノキ材・カイヅカイブキ葉・コノデカシワ樹皮・ヒノキアスナロ(青森ヒバ)材が黄色ブドウ状球菌・枯草菌に対して強いいろいろな作用を持つことがわかりました。

サワラに含まれるピシフィリン酸を用いて、同じく細菌類への作用を見たところ、黄色ブドウ状球菌に対してやはり強いいろいろな作用を持つことが確認されています。
また針葉樹葉油を揮散状態にして、真菌類(カビ)へのいろいろな作用を調べると、ネズコが黒鮗エカビに対して非常に強い生育阻害を示した他、ヒノキやヒノキアスナロが青カビ属に対して、ハイビャクシンがフザリウム属に対して、それぞれ強い生育阻害を示したのです。
さきほど触れたMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ状球菌)に対する試験では、青森ヒバから抽出されたヒノキチオールがMRSAの生育を完全に阻害し、耐性菌もできなかったことがわかりました。

「フィトンチッド普及センター」より

フィトンチッドのリフレッシュ効果

研究データに見るフィトンチッドの抗菌作用

フィトンチッドの成分であるテルペン類には、わたしたちのからだに活力を与えてくれるさまざまな働きがあります。
木の香りの効能をいくつか挙げてみましょう。

成分 働き その成分を含む植物
α ̄カジノール 虫歯予防 ヒノキ
カンファー 局所刺激・清涼 クスノキ
シトラール 血圧降下・抗ヒスタミン作用 バラ
チモール 去痰・殺菌 タチジャコウソウ
テレビン油 去痰・利尿作用 マツ類
ヒノキチオール 抗菌作用・養毛 ヒバ・タイワンヒノキ・ネズコ
ボルネオール 眠気覚まし トドマツ・エゾマツ
メントロール 鎮痛・清涼・局所刺激 ハッカ
リモネン コレステロール系胆石溶解 みかん類の果皮・ローソンヒノキ

※『森林の不思議』 谷田貝 光克著(現代書林)より引用

実験で証明されたフィトンチッドのリフレッシュ効果

それでは、木の香りの効能を明らかにした、小学校5年生の国語の教科書にも掲載されている、有名な実験をご紹介しましょう。 ハツカネズミの飼育箱に、エンピツジャクシンの木屑を敷きます。そしてハツカネズミに睡眠薬を注射し、睡眠時間を測定したのです。すると木屑を敷かなかった場合に比べ、睡眠時間が短縮される効果が得られたのです。

つまり、ハツカネズミがエンピツジャクシンの香りを嗅ぐことによって、睡眠薬を解毒する肝臓の働きが活発化することがわかったのです。

エンピツジャクシンの材からは、『シダーウッド油』が採り出されます。シダーウッド油には強壮作用があることが知られています。強壮作用とは、からだの機能を活発にする働きを言います。つまり経験的に知られていた効能が、この実験によって科学的に裏づけられたわけです。

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